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1.相続回復請求権とは
相続回復請求権とは、法律により定められた正しい相続人(真正相続人)を、相続人と称する他者(表見相続人)による相続権の侵害から救済するための制度です。
【表見相続人】
真正相続人でないのに相続人であると称する者です。
相続欠格に該当したり、相続人から廃除された相続人が、相続権があるとして相続分を取得したり占有した場合などは表見相続人になります。
なお、相続回復請求権は正しい相続人同士の間でも適用されるとされていますが、侵害した相続人が、侵害を知っていたり気をつければ知ることができた時には適用せれません。そのため相続人同士の間では実際に適用されることはほぼありません。
相続回復請求権は5年又は20年の消滅時効にかかるため、遺産分割協議に期限がなく何十年後でも協議可能なこととの調整をはかるのためです。
【民法884条】
相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から20年を経過したときも、同様とする。
2.判例
①相続人と称する他者(正しくない相続人)から財産を取得した第三者に対しては、相続回復請求権を主張できない。
②5年の時効の起算は、自分が正しい相続人であることを知り、相続から除かれ相続権を侵害されていることを知った時から。
③相続回復請求権の時効を援用する侵害者は相続権侵害の時点で、他に相続人がいたことを知らなかったことについての善意無過失を証明する必要がある。